あなたの家のお雑煮は・・・?

 
  そもそも、雑煮は、神仏に供えた飲食物を下げて食することが、その起源といわれています。
  つまり、大晦日の夕方に神仏に供えたものを朝になって下げ、野菜・鳥・魚などを加えて煮る、
  それが雑煮のはじまりです。水田地帯(稲作)を中心とする地域では、餅がその具の中心でした。
  一方、畑作地帯では、主作物(芋・そば・麦など)中心の「餅なし正月」でした。
  やがて、日本の歴史の中で稲作文化が優位にたち、次第に餅中心の雑煮になっていったものと
  考えられます。
  しかし、イモ栽培の文化も伝統的に受け継がれ、里芋も雑煮の材料として不可欠なものとなって
  いきました。
  
  餅は円満を象徴するので、祝いの席では本来丸餅でした。切り餅(角餅)を使うのは略式です。
  焼いてふくらませれば角が丸くなるので、それでもよしとされたのでしょう。

  汁は、関東が『すまし仕立て』、関西は『みそ仕立て』になっています。
  江戸は武家社会であったため、「みそをつける(しくじる)」という言葉を嫌い、すまし仕立てにした
  ものと考えられます。
 
●関東風雑煮
<材料>
角もち・鶏もも肉・小松菜・かまぼこ・三つ葉・柚の皮・塩・醤油・だし・酒

<作り方>
1. 小松菜を茹でる。
2. 鍋にだし、塩、醤油、酒を入れ、一煮立ちさせる。
3. 鳥もも肉を薄くそぎぎりにし、鍋に加える。
4. 角もちを焼く。
5. お椀にもち、かまぼこ、鶏肉、小松菜、だしを入れる。
6. 三つ葉と柚を飾る。
●京雑煮
<材料>
西京白みそ・頭いも(八つ頭)・こいも(里芋)・ねずみ大根(お雑煮大根)・丸餅・昆布・花かつお

<作り方>
1.まずは、昆布だしをとります。鍋に昆布と水を入れて中火にかけ、沸騰しかかったら昆布を取り出します。
2.具財の頭いもは、人の頭になるようにと大きなものを一人に一個、丸いまま使います。
  そして、子孫が栄えるようにと、こいも。大地に根を張るようにとねずみ大根は輪切りにします。
  最後に丸い小餅は焼かずに煮、他の具財も全てそれぞれ煮ておきます。(全て角のない丸いものばかりで、
  何事も丸くおさめて争い事をなくすように、という願いから)
3.西京白みそを溶かし、具財とあわせておわんに盛り付け、花かつおをふんわりとかけて、できあがり。
●博多雑煮
<材料>
焼きアゴとこんぶ・ブリ・里芋・かまぼこ・かつお菜・干ししいたけ・丸餅・しょうゆ・塩

<作り方>
1.だしをとる。焼きアゴとこんぶを水につけておき、大晦日に火にかけ、一度煮立ったらこんぶを取り除き、塩を
  一つまみ入れておく。それを布でこす。
2.具の下準備。ブリは長さ3cm幅1.5cm厚さ1cmくらいに切る。他は2つか3つに切った里芋と前夜から水に
  つけてもどした干ししいたけ、そして5mmほどの厚さに切ったかまぼこ3種類、かつお菜は、ゆでて3.5cm
  くらいに切る。
3.具を串に刺す。振りを魚串に4切れずつさす。竹串にしいたけ・里芋・かまぼこの順に2回繰り返してさす。
  (博多商人の家はお客様が多いので具がばらばらにならないように1人分の具を竹串にさして準備するのが
  大きな特徴)
4.もちの準備。元旦に水を入れたなべに前日使ったこんぶを敷き、火をかけ、丸もちを入れてのばす。
5.椀に盛る。だし汁はしょうゆと塩少しで味をつけ、煮立ったらブリの串を入れる。そのあとに野菜の串もいれ、
  かつお菜を横に入れ温める。椀に丸もち、野菜の串半分、魚、かつお菜を彩りよくいれて汁をそそぐ。
  ※博多では、雑煮を栗の細い枝を削った箸(栗配箸)で食べる習慣がある。


※一覧は各地のお雑煮を紹介しています。
 北海道地方 ○イクラ雑煮
札幌。醤油ベースで丸餅、具は椎茸がどっさり入ってます。

道南。いわゆる「お雑煮」ではなく「鯨汁」に餅を入れて食べてました。今じゃもう高くて食べられません。
 東北地方 ○秋田(根菜とこんにゃくの雑煮)山形(納豆雑煮)宮城(仙台雑煮)
山形。餅は「つきたて」が当たり前。臼から直接椀にちぎって入れてました。のし餅や丸餅は旧正月以降に食べるものです。
汁は醤油仕立て、肉は鶏肉で、大根・人参・牛蒡の千切り、それに欠かせないのは、せり。

我が家のお雑煮はいくらが入ってます。他には、ごぼう、高野豆腐、大根、などです。スープはしょうゆがベースで、こい味です。

福島県会津若松市では、油揚げ・白菜・なると、冷蔵庫のあまりものを何でも入れて、つきたてのお餅をちぎって入れます。お汁はしょうゆ味のすまし風。

福島県の海側。醤油仕立てに焼いた角餅、鶏肉、三つ葉、蒲鉾が入ったお雑煮とぜんざい(焼いた角餅入り)をダブルでいただきます。

秋田・県南・山側です。
うちのお雑煮は澄まし仕立てで、焼いた角餅、大量の大根のいちょう切り、なめこ、仕上げにセリを入れます。家によっては山菜を入れるようです。
 関東地方 ○栃木(かす雑煮)東京(鳥雑煮)
角餅、すまし仕立て(かつお風味)。おもちは焼いて入れてました。トリ肉を入れてミツバを散らします。

埼玉県の雑煮は角餅です。少し堅くなった餅をうっすらと焦げ目がつく程度に焼いて、それを醤油ベースに、具は大根・にんじん・里芋・小松菜・好みで鶏肉を入れるだけです。餅の周りのコリコリ感を損なわないようにしてます。

千葉は、海苔をかけるんです。具は里芋、人参、大根、ほうれん草、鶏肉、よくある例と同じです。

千葉。お餅は角餅(市販のモノの2コ分くらいの大きさです)
お出汁はすまし仕立てで 小松菜と鶏肉 椎茸が入ります。
お餅は焼くトコと 別鍋で茹でてからお出汁とあわせるトコがあるみたいです。
『ハバ』という海草の一種だと思うのですが海苔のように板状にのしてあるのですがこれをコタツの掛け布団と上板の間に新聞紙でくるんではさんで乾燥させて手で揉んで粉々にしてから 揉んだ青海苔と削り節と合わせるんです。
 中部地方 ○石川(塩焼き雑煮)静岡(野菜雑煮)新潟(さけの親子雑煮)愛知(とり雑煮)
新潟は、いくらが入りました。でも、火を通さずに、仕上げにふわっと乗せる。半生の状態が美味しいです。どこも角餅、澄まし汁仕立てでした。

新潟。
中身は角餅、大根、人参、ごぼう、昆布、豆腐、新巻鮭、もち菜などが入ったけんちん汁のような具沢山の雑煮です。

長野県木曽です。餅は、角餅。
つゆは、醤油ベース。日本酒も入れます。具はとり肉、ほうれんそう、長ねぎ、生椎茸、かまぼこ。

静岡県西部の田舎町です。
餅は切り餅で、焼きません。出汁は鰹節です。砂糖は入れず、つゆのように醤油、酒、味醂で味付けします。
具は、大根と人参、白菜、水菜(または春菊)です。鰹節と青のりをたっぷりのせて食べます。
 近畿地方 ○京都(白味噌雑煮)兵庫(若水のシンプル雑煮)三重(はまぐり雑煮)大阪(ぶり雑煮)
大阪。白味噌ベースで、角餅といろんな野菜をいれます。

我が家のお雑煮は、かつおぶしでダシをとってしょうゆ、砂糖で味付け。
具は、大根と里芋を入れます。餅は角餅。30日頃に餅をついてのした物を適当な大きさに切ってます。
お正月はこれを焼いてから入れるんです。結構甘くて辛かった。

兵庫県。白味噌、丸餅(焼いてない)、金時人参、雑煮用大根(人参と同じくらいの大きさの小さく細いもの)、仕上げに三つ葉をはらりです。

大阪・堺。元旦と2日・3日でお雑煮が違います。お餅はどれも丸餅(軽く焼く)ですが味付けが違います。
元旦はかつおだし&白味噌仕立て。具は小芋(サトイモ)、焼き豆腐、正月大根(兵庫の方が書かれていた細い大根です)で、お椀に盛ってから花かつおをいれます。2日目以降は昆布だしのすまし汁。具はシンプルに水菜だけ。やっぱり元旦に比べると見劣りしますが、おせちやお酒でさんざん胃を酷使したあとには、さっぱりいいものです。

三重県鈴鹿市。鈴鹿市周辺(友達数人にも確認済み)では、かつおだしに薄口しょうゆ、みりん、塩で味付けしたものにもち菜といわれる菜っ葉と切り餅のみがはいってます。相当シンプルな雑煮です。
ちなみにお餅は、しろ餅とたがね餅の二種が入ってたりします。
たがね餅は、もち米と普通の米をいっしょにふかしてついたものでぶつぶつ感があっておいしいです。

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